Aの話 - 気付かなければ始まらない
前回からつづく。
忘れ物は多いし、失くし物は多いし、大切な用事もすぐ忘れてしまう。
それでもなんとか高校生になり、大学生になった。
自己否定に苛まれて生きることを諦めるといったことをせず、
周囲から嫌われたり面倒がられたりしていたかもしれないけど、見放さないでくれる人たちに助けられながら。
いつまでたっても相変わらず、忘れ物をしていた。
いつの日だったか、再び「これはまずい」と思った。
小中学生のときの「恥ずかしい」「自分はだめだ」を、超える何かを感じたのかは記憶にないが、
忘れ物をこれだけする自分は他人とは明らかに異なる。これは困ったことなのだと、認識したのだった。
他人は自分を変えられない
母親に叱られ、先生に注意され、負の感情を蓄積させてきた。
なのに、改善には至らない。
自分で「これはまずい」と思い、課題だと認識したら、対策を考え行動に移せた。
私の場合、自分が困って、自分で直したいと思うことが大切だったのだ。
意識するだけでは変えられない
小学生のときから、「なんとかしたい」と思ってきたが、思うだけでは変わらなかった。
何が忘れる原因なのか。何をすれば忘れないのか。これを考えてこなかった。
今になってみれば当然だが、課題に対して原因分析をし、原因に対するアプローチを考え、行動変容を助ける仕組みをつくる、ことにした。
考え始めたのは高校生のときで、授業で使うプリント類を忘れたり失くしたりすることに対して講じた対策は一応成功したが、大学生になったら通用しなくなった。
だから大学生のときはまた別の仕組みを考えた。
トライ&エラー。
自分の特性を把握する
片付けられない。細かく分類して整頓できない。
自分のための片付けや整頓は面倒。
聞いた情報は正確に覚えていられない。
書いても書いた場所を忘れる、書いたことそのものを忘れる、書いたものを見ない。
数字は覚えられない。
色やイメージの記憶は保持されやすい。
そんなことを大学生のときに考え、対策してきた。
当たり前のことしか書いていないけど、自分で考えて自分で対策をしたことが、自分の負の感情の蓄積が少し崩れたのだった。
具体的な対策方法や考え方を次回紹介する予定。